存在するな(禁止令)
先輩に勧められ精神科の先生が開く月一の勉強会に参加してます。月末開催ということもありなかなか日程が合わず今月でまだ2回目の参加でしたが、今月の講師タイトルは「どうして子どもに死にたくなる気持ちが芽生えてくるのか?」
興味深い内容であったので他の行事を調整して参加したのですが、当日の講師はなんと高校の同級生でした。大学卒業し企業で就職、子育てのなかで感じるものがあり心理カウンセラーになったとか。以下、講演の要約です。
子どもが死にたい気持ちになるにいたり、親の養育の問題があるが、親の養育では言語的ななものより非言語的なものの方が影響が大きいといわれている。非言語的なものは主に表情や態度を表す。例えば言葉で「大好きよ」と言って育てても、子どもが親に話かけた時迷惑そうにしたり両親の仲が悪く母親が不幸そうにしていたり…そのような時に「私は迷惑な存在で産まれてこなきゃよかった」これらの決断は多くは6歳までに行われることが多い。6歳という年齢に驚きました。
講師が小学~高校で命の授業をした際のチェックシートでも、生きてるのが厭、産まれてこなきゃよかったがクラスに平均1~2人いる。先生に提出することを考慮すると、もう少し多くの子ども達が既に希死観念を抱えていると推測される。
心理学的には「禁止令」という言葉があるらしく、「死にたい」は「存在するな」という禁止令だそうです。存在するなの決断の原因としては虐待だけでなく、以下のようなことからも
・身体的虐待
・性的虐待
・放置虐待
・あからさまな無視
・DV(父親からの母親への暴力を子どもに見せる)
・親の自殺、親または兄弟の事故死(人生なんてそんなもんだ、死んだら愛される)
・親が子供を邪魔もの扱いする
・親が他の兄弟の話ばかりを聞く
・親の不幸を子どもせいにするような言動(あなたがいるからお父さんと別れずにいるのよ)
・親が苦労して生きているのが辛そう、不幸そう
・留守番でさびしい思いを我慢している子どもに、親が「ごめんね」と何度も謝る(自分が産まれたから親に迷惑をかけて悪い)
例示の頭の方はないとしても後ろにいくにつれてそうなのかと思わさせる事例も。もちろん、このことひとつが直接に強く子どもに禁止令をだすもではないと思われますが…
また、興味深かったのは、じゃあ親が言動を改めたからといって、子どもの心に改善が生まれるかというとそうでもないということで、親子の関係においても子どもの方から積極的な関係が必要とのことで、つまり、「親がどうしたかではなく子どもがどう受け止めたか」が大事であり、完璧な親を目指すより、むしろ子どもに「あなたがいてくれてることが嬉しい」というメッセージを言葉で伝えて抱きしめるなどの態度で示すことが大切。
子どもから変わろうとしなければ変わることはできず、外部から過剰に働きかけることは本人にとってプレッシャーでしかない。わかっていそうでわかっていなかったのかもしれません。行政のなかでの不登校での対応等、このことを当てはめるとまずい対応しているケースもありそうです。とても参考になる勉強会でした。
ちなみに子どもにプレッシャーを与える5つの大人からの禁止令があるそうです。聞いてはっとさせられました。
1、完全であれ
2、努力せよ
3、他人を喜ばせよ
4、強くあれ
5、急げ